オーストラリアに来たら楽しみたいビーチと海。でも、私たち日本人にはなじみの薄い危険も潜んでいます。その一つがクラゲです。今回はオーストラリアの海水浴で注意したいクラゲの時期・場所・種類、予防と応急処置について紹介します。いたずらに怖がって海から遠ざかるのではもったいない。正しい知識を身に着けて、オーストラリアの海を満喫しましょう!
クラゲのいる時期?
クラゲ出没の時期を理解するために、季節によるクラゲの一生を見てみましょう。
- 夏~秋:クラゲの赤ちゃん(プラヌラやポリプ段階)が誕生
- 秋~冬:クラゲは子供段階へ成長
- 春~夏:成体段階(大人)まで成長 = 大人クラゲが繁殖
- 秋~冬:大人のクラゲは寿命をむかえる
残念ながら、一般人が海水浴を楽しめる時期(春~夏)に、大人クラゲはすでに繁殖しているようです。
日本で「お盆を過ぎるとクラゲに注意」と言われるのは、夏の終わりにかけて大人クラゲの数がピークに達するから。では、春ならリスクが低いのでは?と思うかもしれませんが、個人的には春の海でもちゃんとクラゲに刺されました。
「クラゲのいない時期」を探すよりも、「今日もクラゲはいるかもしれないけれど、正しい知識があるので大丈夫!」というくらいの心持ちがよさそうです。
クラゲのいるエリア?
クラゲの生息地を確認しますしょう。
毒性の有無を問わなければ、クラゲは全国どこにでも生息しています。ただし、注意すべきクラゲ3種のうち、猛毒を持つ2種類はオーストラリア北部の熱帯地域にしか生息していません。しかも、遊泳禁止になっていることがほとんどです。
気を付けるべきなのは、残りの1種「ブルーボトル Blue Bottle」。夏にオーストラリアの東海岸に現れます。クイーンズランド州が主な生息地ですが、ニューサウスウェールズ州でも注意が必要です。
「ブルーボトル Blue Bottle」は普段は見ないビーチにも出没することがあります。風の向きや潮の流れにのってやってくるからです。海に入る前に、ビーチに打ち上げられていないか、ここ数日で被害がでていないか、地元の人に確認するなどして、生息を確認すればリスクを回避できます。
注意したいクラゲ3種
オーストラリアで注意したいクラゲ3種について説明します。
- ブルーボトル Blue Bottle / 別名「カツオノエボシ」- 毒性が強い
- ボックスジェリー Box Jelly / 別名「キロネックス」- 猛毒
- イルカンジクラゲ Irukandji - 猛毒
ブルーボトル Blue Bottle
オーストラリアの海に広く生息しています。毒性が強いので、注意が必要です。は日本では「カツオノエボシ」と呼ばれています。「電気クラゲ」と呼ばれることもあるように、刺されるとピリッと電気が走ったような痛みを感じます。
英語名の通り、透き通る藍色の浮袋と長い触手が特徴的。
浮袋の一部が帆船の帆のようになっていて、海の表層に浮かびながら、波や風を受けて移動します。風の強い日に、ビーチに打ち上げられているのを見かけます。ビーチに「ブルーボトルBlue Bottle」が打ち上げられているのを見たら、海の中にもいる可能性が高いので、その日は泳ぐのは避けましょう。
ボックスジェリー Box Jelly とイルカンジクラゲ Irukandji
これら2種のクラゲは、猛毒を持ち人を死に至らしめることもありますが、生息地は限定的で、かつ遊泳禁止になっていることがほとんどです。
「ボックスジェリー Box Jelly」は、日本では「オーストラリアウンバチクラゲ」や「キロネックス」として知られています。日本(沖縄や奄美)で最も危険な「ハブクラゲ」の親戚です。30-50cmの立方型のクラゲです。猛毒を持ち、刺されると激痛が走り、刺傷箇所の壊死・視力低下・呼吸困難・心停止等により命を落とすこともあります。
「イルカンジクラゲ Irukandji 」は、3cmの立方型で、小さく見つけるのが困難。刺された傷跡も目立たないけれど、刺されてから数分~数時間の間に、激痛・高血圧・精神不安などの症状が起り、死亡することがあります。
繰り返しになりますが、これらの危険な2種類のクラゲの生息は限定的で、オーストラリアの北部、熱帯地域の海に生息しています。日本人になじみのある観光地では、ケアンズやダーウィン、ブルームなどがあります。こういった温かい地域で海水浴をする場合には、必ず警告案内を確認し、できれば地元の人に安全かどうかを確認してから泳ぎましょう。
クラゲに刺されないためにできること
これまで述べたように、海で泳ぐ限りクラゲのリスクをゼロにすることは不可能です。でも、命を守ること、クラゲに刺されるリスクを減らすことはできます。
まず、命にかかわる2種類のクラゲがいる地域では泳がないこと。ケアンズ、ダーウィン、ブルームなどの熱帯地域へ行くときには特に注意します。そして、ビーチに設置された案内表示を確認すること。なければ、地元の人(地元に住んでいる人)を見つけて安全かどうか(危険はクラゲはいないかどうか)確認しましょう。
続いて「ブルーボトル Blue Bottle」がいるかもしれない地域では、ビーチに打ち上げられていないかチェックします。ビーチに打ち上げられている場合は、海の中にもいる確率が高いので、その日に海に入るのはあきらめましょう。
そのほか、できることは
- クラゲよけクリームを塗る(効果は人によってまちまち)
- ラッシュガードやウェットスーツで肌の露出を減らす
があります。
クラゲよけクリームは、イスラエル製の「セーフシー Safe Sea」と日本製の「ジェリーズガード」があります。
ジェリーズガード フェイス&ボディクリーム クラゲ除け(日本製)
SAFESEA 日焼け止め SPF50 アドバンス ウォータープルーフ (イスラエル製)
「セーフシー Safe Sea」は日焼け止めの成分も含まれているので1本で2機能付いているのが嬉しいですね。
クラゲに刺されたら(応急処置)
クラゲ対策はしたけれど、運悪く刺されてしまった…という時には、落ち着いて以下の対応をします。
<するべきこと>
- すぐに海中から出る(ショック症状が出る場合に備えて)
- 患部にクラゲの触手が残っていないか確認する
- 素手以外で触手を除去する(枝、ハンカチなど)
- 患部周辺を必ず海水で洗い流す(真水はダメ)
- 刺された人の意識や、全身の症状を確認する
「お酢をかけると良い」という人も多く、オーストラリアのビーチにはお酢が設置されているところもあります。ただ、日本ライフセービング協会によればクラゲの種類が分からない場合には危険とのこと。まずは近くにいるライフセーバーに助けを求めましょう。
以上、オーストラリアの海で泳ぐにあたり知ってくべきクラゲの知識をまとめました。正しい知識を持てば、いたずらに怖がることはありません。オーストラリアの海を満喫して、大自然からパワーをもらいましょう。ではでは~
投稿者プロフィール
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一年の大半を外国人のお客様と旅をして過ごしています。旅先で感じたことなどを時々アップしています。シドニー在住。
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