リノベーションに見る異国暮らしの難しさ

シドニーからたかこです。 今日は、リノベーションを通じて感じた文化の違いをシェアします。

リノベーションで価値を上げる

新築時がいちばん価値の高い日本と違い、オーストラリアでは中古の家をリノベーションしていくことで価値が上がっていく文化があります。

私の現在の住まいは1920年代にできた建物で、修繕が必要な時期になったため今回大がかりな手入れをすることになりました。

水拭き可能な「サテン仕上げ」

廊下の壁をロイヤルブルーにすることにした私。色だけでなく、仕上げの質感を決める必要がありました。

質感には大きく3つの種類があり(すごくざっくり)、ピカピカした「グロス」、その逆で光をまったく反射しない「マット」、そしてその中間の「サテン(またはセミ・グロス)」があります。

私は「マット仕上げ」が希望だったのですが、マットは汚れをふき取ることができないため、将来汚れがついても水拭きできる「サテン」にすべきという建築家の強い助言のもと、中間のサテンで仕上げてもらいました。

工程順序のミス?

しかし、壁の塗装をした後にフローリングの紙やすり作業が入ったため、その際に出た大量の木くずや塵がぬりたての壁に降りつもるというアクシデントが発生。

その塵をぬぐおうと触ると、さらに汚れが悪化するという事態になりました。

施工業者がこすって汚れが余計に目立ってる
こすった跡があちこちにある状態

これで完成品なの?

汚れがついたまま塗装業者と建築家、そして私の三者による現地視察の日がやってきました。

できるだけ丁重に、でもハッキリと問題を指摘しなければ!と前日に準備したメモを見ながら壁の塵と汚れ指摘する私。また、電気スイッチの周りもなんだかちょっとムラがあって雑な仕上がり。

電気スイッチの周りの塗りムラ

 

しかし、塗装業者は「壁のペンキ塗りは終了しているのでこれが完成品」一点張り。

ほんとうに、これで…完成なの…??

「サテン仕上げ」は水拭きできない新事実と裏切り

そもそも汚れが目立つ濃い色を選んだ私のミスであり、これ以上は何もできないという塗装業者と、汚れた状況は受け入れられない私との静かな戦い。

ではせめて専門業者にクリーニングをしてもらたい旨を伝えると、壁についた汚れは「サテン仕上げ」のため拭き取り不可、とのこと。

え!

当初、「サテン仕上げなら汚れがついても水拭きできる」と言われたので「サテン仕上げ」を選んだのに…??

水拭きの可否を建築家に確認するもダンマリを決め込む建築家。

「これで壁は完了ですから」

と押し切られてミーティングは終了してしまいました。

自分で触ってはいけない

悲しいやら情けないやらすっかり凹んだ数日を過ごしたのち、「自分でキレイにするしかない」と思い立ってホームセンターへ。

購入すべき掃除用品のアドバイスをえるために店員さんに事情を説明すると、私に代わって怒りを爆発させてくれる店員さん。

「それはその業者が責任をもって塗りなおすべきです!」

と激しく私を勇気づけてくれました。

不甲斐ない自分を責めていたこともあり、涙が出そうになっていると、更に、

「自分で掃除してはダメです。悪化した場合、業者はあなたに責任転嫁してくるので、絶対に触ってはいけません」

とのこと。

ヘイ、わかりますた!触りません!

藁にもすがる思いで、店員さんのアドバイスをメモし、いざという時の消費者センターの番号も教えてもらい、一筋の光を見つけた思いで家路につきました。

タフに、でも加減が難しい

現在隣人の助けを借りて交渉している私ですが、なんとも難しい。

日本文化と違い、ハッキリ言うのが西洋風だと思っていたけれど、私のハッキリは強すぎるのだそうで、「こんな言い回しでは相手の怒りを買い敵に回してしまう」だの、「日本人の丁重さは捨ててタフにならないとダメだ」とか「ストレートに伝えないと伝わらない」だの、正直何をどうすれば良いのかさっぱり分からない。ハッキリ言うけど怒らせないって、どういう感じなのよ?

異文化で暮らすことの難しさ

施工業者から感じるのは「ちょっと汚れているけど、暮らすのには支障ないよね?」という主張。

たしかに、施工業者たちの多くは難民を含み移民であることが多くて、快適に暮らすことができれば多少壁が汚れていても大きな問題ではないという思いがあるのだと思います。

いっぽう私は、日本は世界でもトップクラスにきっちりしている国出身。

かみ合わないのも仕方ないよなあ…とも思うのです。

さまざまな文化と異なる生活レベルから集まる人々の集合体である移民国家での「常識」を日常生活では分かったつもりでいたけれど、リノベーションという機会を得て改めて、「日本の常識は世界の常識として通じない」と感じました。

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とはいえ、私だって移民国家の移民の一人であり、私の(日本の)文化・常識を主張する権利があるはずだ、と自分に言い聞かせて、引き続き交渉を頑張ります!

夕陽の綺麗な散歩コースで、いつも自分を元気づけています。

投稿者プロフィール

Takako
一年の大半を外国人のお客様と旅をして過ごしています。旅先で感じたことなどを時々アップしています。シドニー在住。
Personalised group/self-guided travel organiser across the world. From the country on the map to the one where your new friends live.
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