シドニーのフィッシュマーケットで生牡蠣 | シドニー・ロック・オイスターとパシフィック・オイスターと食中毒

シドニー観光で訪れてほしいスポットの一つ「フィッシュ・マーケット」で生牡蠣を食べてきました(2020年6月28日)。「『R』」のついてない月だけど食べても大丈夫なの?」「生牡蠣はあたるのでは?」などなど。日本の常識が当てはまらないオーストラリアの事情も紹介します。

シドニーで見かける牡蠣2種類

シドニーで見かける牡蠣は主に2種類。「シドニー・ロック・オイスターSydney Rock Oyster」と「パシフィック・オイスターPacific Oyster」です。

シドニー・ロック・オイスター Sydney Rock Oyster」は、オーストラリアやニュージーランドに生息する牡蠣。日本の岩牡蠣(イワガキ)と同種で、夏が旬。小ぶりだけれど、味がギュッと凝縮していてクリーミー。オーストラリアに来たらぜひ食べてもらいたい食べ物の一つです。名前に「シドニー」とあっても、シドニー産のものを指すわけではなく、オーストラリア各地で水揚げされます。

ポート・スティーブン産のシドニー・ロック・オイスター

一方、「パシフィック・オイスターPacific Oyster」は日本からやってきた牡蠣です。日本の「真牡蠣(マガキ)」と同種で、冬が旬。少し大きめで、プリっとした食感とあっさりした味が特徴です。いわゆる外来種のため、養殖可能な地域がタスマニア州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州の一部地域のみに限定されています。

2020年6月下旬時点でシドニーの市場に出回っていた牡蠣とその産地
パシフィック・オイスターは当初、日本からタスマニアに持ち込まれました

旬はあるが、通年入手可能

「牡蠣は「R」のつく月だけ食べるもの(=夏は食べない)」と思っていましたが、シドニーでは一年を通して常に生牡蠣を見かけます。上述の通り、冬が旬の真牡蠣と夏が旬の岩牡蠣とが、入れ代わり立ち代わり市場に出回るためです。

食べ比べしてもよいですし、旬のものをというのであれば、冬には「パシフィック・オイスター」を、夏には「シドニー・ロック・オイスター」を食べるのがよいですね。

生牡蠣はあたるのでは?

「生牡蠣はあたるリスクが高い」という理由で、日本にいる時には絶対に生牡蠣を食べなかった私。皮肉にも自由の国オーストラリアでの同調圧力に負けて食べ始め、今では日常的に食べています。

オーストラリア人に「生牡蠣はあたるリスクがありますよね?」と聞くと、多くのオーストラリア人が「そうなの?」「知らない」「あたったことがない」と言います。実際、私もここ10年間1か月に1回は食べてきているのですが、一度もあたったことがありません

牡蠣による食中毒

そこで、牡蠣による食中毒について調べてみました。ここではポイントのみ紹介します。

牡蠣による食中毒は「ノロウィルス」に起因するものと「腸炎ビブリオ」に起因するものとがあり、「ノロウィルス」は冬の流行数とそれによる海洋汚染度によるところが大きく、「腸炎ビブリオ」は牡蠣の取り扱いによるところが大きいのです。

オーストラリアは、冬の冷え込みが穏やかでノロウィルスが流行りにくく、また人口密度が低いことからノロウィルスによる水質汚染度も低いのだそうです。また、州の規制により、汚染が発見された水域では養殖が禁止されるため、ノロウィルスに限らず安心して水産物を食することができるのだそうです。また、腸炎ビブリオに関してはフィッシュマーケットなどで剥きたてのものを食べる限りは過度に心配する必要はないとのこと。

水質基準を満たさず休業中のホークスバリー川での養殖

あまり神経質にならずに

アレルギーや、もともと牡蠣との相性が良くないという方は避けた方がよいと思いますが、そうでなければあまり神経質にならず、ぜひ新鮮な生牡蠣を味わっていただきたいなぁと思います。

購入は半ダースから

牡蠣はダース(12個)もしくは半ダース(6個)という単位で買います。

値段は大きさによって異なりますが、1個あたり約1.5ドル~2.5ドル、1ダースあたり約16ドル~27ドルです。

一緒についてくるレモンを絞って、そのままつるりと食べます。夏の夕暮れに、オーストラリアの白ワインと一緒に頂くのが最高です。

雑にレモンがのっているのがオーストラリアらしい

ちなみに惣菜エリアでは、ポン酢・ねぎ・チリソースをかけたものもありました。今回初めて購入してみましたが、普通の2倍のお値段でした。

ポン酢とチリソースとネギがのって、お値段は2倍

レストランで提供される生牡蠣

オーストラリアの多くのレストランでは牡蠣剥きはされていません。フィッシュマーケットで牡蠣剥きされたものがレストランに輸送され、素敵なお皿と共に約4倍ほどの値段で提供されます。

一番新鮮なのは、フィッシュマーケット。そしてなによりお安く購入できます。身体にもお財布にも安心なフィッシュマーケットで、ぜひ一度シドニーの生牡蠣を味わってみてください。

投稿者プロフィール

Takako
一年の大半を外国人のお客様と旅をして過ごしています。旅先で感じたことなどを時々アップしています。シドニー在住。
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