シドニーでの「ロックダウン」

オーストラリアでは、4月下旬ころから毎日の新規感染者数が10人前後まで減り、安定してきました。「ロックダウン」の成果なのかな?嬉しくなるとともに、一緒に頑張ってくれているオーストラリアの人々に感謝です。

オーストラリアでのコロナ対策は、日本版と類似点もありながら着実に成果が出てきているので、日本に住む方の希望になればと思います。1回目は「ロックダウン」についてご紹介します。

オーストラリアでの新型コロナ日ごと新規感染者の推移
日ごとの感染者は10名以下に

「ロックダウン」というより「外出制限」

3月下旬から開始されたオーストラリアでの「ロックダウン」は、武漢やヨーロッパ諸国での「都市封鎖」「外出禁止令」とは異なり、「外出制限」といったところです。必要であれば通勤・通学をすることも可能ですし、外出時に許可証を持ち歩く必要もありません。こういった点では日本での「不要不急の外出を控える」対策にとてもよく似ています。

ただ、日本と大きく異なるのは「制限項目が明確で具体的に示されていること」と「違反者に罰則が科せられること」です。

制限項目が明確・具体的で行動しやすい

オーストラリアの対策の中で個人的にとても評価していることは、連邦政府から提示された「制限項目」が明確かつ具体的であること。「何がOKで何がダメなのか」というルールが分かりやすく、一人ひとりそして社会全体が正しく同じ方向へ向かって行動するのを可能にしていると感じます。

以下にその内容を一部紹介します。

禁止されていること

  • 同世帯以外と会うこと(自分以外1人までは可能)
  • 飲食店の店内営業(持ち帰り・デリバリーはOK)
  • エステなど、生活に必須ではないサービスの営業
  • 屋内屋外のプレイグラウンドやジムの使用
  • 70歳以上および既存症又は併存症を有する60歳以上の方の外出(禁止ではなく努力義務)

認められていること

  • 食料・必需品等のための買い物
  • 持ち帰り・デリバリー用の飲食店の営業
  • 医療や健康上のケアを行うための外出(運動のための外出も含む)
  • 在宅での仕事や遠隔学習が困難な場合の通勤・通学

たとえば「同世帯以外と会うこと(自分以外1人までは可能)」という禁止項目は、簡潔かつ具体的で、人々が行動の可不可を判断する基本になっています。3人で暮らしているのであれば、3人で一緒にウォーキングへ行くことはできますが、自分1名がお隣さん2名を誘って合計3人で会うことはできません。2組の夫婦(合計4名)が食事をすることもできません。「少人数で会いましょう」という抽象的なメッセージよりも具体的で分かりすいと思います。

また、飲食店は店内飲食は禁止ですが、持ち帰りやデリバリーでは堂々と営業できます。これを機会に持ち帰りを始めたレストランも多く、品不足の小麦粉やパスタ、時に花束まで販売するレストランも出てきました。制限の中でいかに工夫してビジネスを持続させるかという知恵が毎日生まれています。

お店の入り口でお菓子やお米などの販売を始めたレストラン

日本で飲食店を営む友人から「日本では飲食店におけるルールが曖昧。営業すればニーズはあるが、一方で『こんな状況でも営業するのか』という批判もあり、ドキドキしながら営業している」という悩みを聞きました。ルールが明確でないと「空気を読む」ことにばかり注力してしまい、積極性・創造性が失われがちというデメリットがあるように思います。国・自治体が明確なルールを提示してくれるとありがたいですね(エライ人、お願します)。

違反者には罰則

もう一つ、日本と大きく違うことは違反者への罰則です。

人々が「運動目的」で集まる公園などには、警察官が巡回しており、運動目的以外で公園を利用している人には立ち退き指示しています。注意に従わない場合は罰金もしくは拘束が科せられます。

私自身も4月中旬に公園でウォーキングをしていたところ、ベンチで休憩中の人に対し巡回中の警察官が注意しているのを見かけました。ぽかぽか陽気を楽しんでいる人達の幸せを取り上げるのですから、楽しい仕事ではないと思いますが、ルールを徹底してくれている警察官のおかげで、今のオーストラリアがあると思います。感謝です。

使用禁止にしている公園のベンチ

明確なルール決めが、命を守り工夫・創造を生む

オーストラリアでの「ロックダウン」対策の現状、いかがでしたでしょうか。

明確なルールの設定・強制は、反感・衝突を覚悟しなくてはいけませんが、一方で人々の「判断する労力・ストレス」を減らし、そのエネルギーを前向きなことに注力できるというメリットもあるということを感じています。

そして何よりも、新型コロナウィルスによる被害を減らすことができる。

そんなことを感じながら日々過ごしています。次回は、オーストラリアでのマスク事情とソーシャルディスタンスについて紹介します。

投稿者プロフィール

Takako
一年の大半を外国人のお客様と旅をして過ごしています。旅先で感じたことなどを時々アップしています。シドニー在住。
Personalised group/self-guided travel organiser across the world. From the country on the map to the one where your new friends live.
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