公共交通機関における感染防止対策inシドニー

シドニーからたかこです。今日(5月25日)、久しぶりにシドニーの公共交通を使い、公共交通機関における新型コロナウィルス拡大防止策を見てきましたのでレポートします。

規制解除ゆえの新たな対策

日ごとの新規感染者数が1桁代で落ち着いているNSW州。国家内閣が提示したロードマップに従って、「段階的な」規制解除が行われています。本日から学校も再開されました。

このような規制解除に伴って、街中での人出や移動が目立ってきているようです。NSW州は、感染の第2波を防止する目的で、5月18 日から公共交通機関における新型コロナウィルス拡大防止策を導入しました。

対策の概要は、

①公共交通機関において物理的距離を確保するため、ピーク時の利用を避けるとともに、電車・バス・フェリーでは、椅子や床面に貼られた「sit here」または「stand here」の緑色のマークの場所で利用すること

②混雑状況はWebサイトやアプリ等で事前に確認してから公共交通機関を利用すること

です。

混雑している車両をお知らせする仕組み

Light Rail (路面電車)での対策

昨年開通したばかりの「ライトレールLight Rail」、いわゆる路面電車に乗ってきました。

ありました、「sit here(ここに座って)」「stand here(ここに立って)」のマーク。ソーシャルディスタンスを確保するために、座席や床面に目印が貼られています。

私が利用したのはオフピーク(平日のお昼前)。1車両に5人程度しかいなかったので、問題なく目印のある座席を利用できました。向かい合わせの4名座席には1名しか着席できないので、思った以上に間隔を取る必要があると感じました。目印があることで適切な距離を認識できるという点では有効だと感じました。

終点「サーキュラーキーCircular Quay」に到着すると、係員がアルコール消毒液を片手にホームで待機していて、お客様降車後の車内の手すりやレールをアルコール消毒していました。安心感が増しますね。

電車での対策

続いて電車。

ホームへ向かうエスカレーター前には、ソーシャルディスタンスを確保しましょう、という表示があります。

ホーム上に設置されたベンチにはテープが張られて、両端しか利用できないようになっています。両端だと、ソーシャルディスタンスの目安である1.5mがギリギリ確保できる距離です。

また、かつては日本の名物(?)だった「エスカレーターの手すりを拭き掃除する人」がシドニーにも登場しました。アルコール消毒液でエスカレーターや階段の手すり、ベンチなどをひたすら消毒してくれています。

スタッフの方に話を聞いてみると、9:00~16:00までと14:00~21:00までのシフト制で毎日、駅の階段・エスカレーターの手すりとベンチをアルコール消毒しているのだそうです。感謝です。

車内は路面電車と同様で、使用できる座席に目印の「sit here」のサインが貼ってあります。2階建て車両の1階部分は約40席強あるけれど、10席しか利用できません

個人的には、座面に貼ってあると着席したときに隠れて見えなくなってしまうので、誰が利用可能な座席を使用しているのか分かりづらく、乗客同士のもめごとにつながるのではないかしら?座席上に旗を立てるのはどうかな?などと考えを巡らせてしまいました。前職の癖が抜けません。

目印は目安、強制ではない

ピーク時に「sit here」「stand here」の目印どおりに利用するのはかなり難しいのではと感じました。NSW州もピーク時には公共交通手段の利用を回避し、オフピーク通勤もしくは在宅勤務の継続、もしくは車での通勤を推奨しています。しばらくは公共交通機関から利用者が遠ざかりそうです。

充実した公共交通機関は、暮らしやすさだけでなく、人々の心と身体の健康維持に大きな役割を果たしていると私は考えます。今回のことがきっかけで公共交通離れが進み、シドニーが車社会にシフトするようなことにはならないことを願っています。

人々が安心して利用できる公共交通機関の姿が早く実現されるといいなぁと思っています。

投稿者プロフィール

Takako
一年の大半を外国人のお客様と旅をして過ごしています。旅先で感じたことなどを時々アップしています。シドニー在住。
Personalised group/self-guided travel organiser across the world. From the country on the map to the one where your new friends live.
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